ノロウイルスは冬場を中心に流行する感染症で、家庭や施設内での感染対策が重要です。アルコール消毒では効果が弱いため、次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液を使うことが推奨されています。家庭で手軽に使えるキッチンハイターを活用し、効果的な消毒を行う方法を解説します。
ノロウイルスには次亜塩素酸ナトリウムが効果的
ノロウイルスは非常に小さく、一般的なアルコール消毒では十分に除去できません。そのため、消毒には次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤のキッチンハイターが有効です。
次亜塩素酸ナトリウムはウイルスの構造を破壊し、感染力を失わせる効果があります。しかし、濃度が強すぎると刺激が強いため、適切な希釈を行うことが大切です。
キッチンハイターを使ったノロウイルス対策スプレーの作り方
ノロウイルス対策には、次亜塩素酸ナトリウム濃度200ppmの消毒液が効果的です。自宅にあるキッチンハイターを使って、以下の手順でスプレーを作りましょう。
必要なもの
- キッチンハイター(塩素系漂白剤)
- 水(できれば水道水)
- スプレーボトル(塩素対応のもの)
- 計量カップまたは計量スプーン
- ゴム手袋(肌荒れ防止のため)
作り方(濃度200ppm)
- キッチンハイター 5ml(小さじ1杯)をスプレーボトルに入れる
- 水 1リットルを加えてよく混ぜる
- 作った消毒液はその日のうちに使い切る
少量作る場合の目安は以下のとおりです。
キッチンハイターの量 | 水の量 | 濃度(ppm) |
---|---|---|
5ml(小さじ1杯) | 1L | 約200ppm |
2.5ml(小さじ1/2) | 500ml | 約200ppm |
1.25ml(小さじ1/4) | 250ml | 約200ppm |
作成後はできるだけ早く使い切り、長期間保存しないようにしましょう。
キッチンハイター消毒スプレーの正しい使い方
作成した次亜塩素酸ナトリウム消毒液は、さまざまな場所の消毒に使えます。
使用方法
- ドアノブや手すり、テーブル、トイレ周りなどにスプレーする
- 10分ほど放置してから、清潔な布で拭き取る
- 調理器具や食器に使った場合はしっかり水ですすぐ
注意点
- 手指の消毒には使用しない(皮膚に刺激があるため)
- 酸性の洗剤(クエン酸やお酢など)と混ぜない(有毒ガスが発生)
- 衣類や布製品には使用しない(漂白作用がある)
- 金属部分に使用する場合は、拭き取った後に水拭きする(サビの原因になる)
ノロウイルス対策の基本も忘れずに
キッチンハイターを使った消毒は効果的ですが、それだけでは完全に防ぐことはできません。日常的な感染対策を徹底しましょう。
石けんを使った手洗いを徹底する
ノロウイルスは少量でも感染力が強いため、流水と石けんでしっかり手を洗うことが重要です。
食品を十分に加熱する
ノロウイルスは85℃以上で1分以上加熱すると死滅します。特に二枚貝(カキなど)は生食を避け、しっかり火を通しましょう。
嘔吐物や汚物の処理を慎重に行う
ノロウイルスの感染経路の多くは嘔吐物や便からの二次感染です。処理する際は使い捨て手袋を着用し、ペーパータオルで拭き取った後、キッチンハイター消毒スプレーでしっかり消毒しましょう。
まとめ
ノロウイルスは強い感染力を持つため、家庭内での感染対策が重要です。キッチンハイターを適切に薄めて消毒スプレーを作り、日常的に除菌を行いましょう。また、手洗いや食品の加熱を徹底することで、より効果的に感染を防ぐことができます。
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