転職時に気をつけたい健康保険の選択
転職をすると、これまで会社で加入していた健康保険を継続するか、新たに加入し直すかを選ぶことになります。その際に大きく分けて「社会保険(健康保険)」と「国民健康保険」のどちらに加入するかを決めなければなりません。これらには大きな違いがあり、家族の扶養や保険料に影響を与えます。今回は、35歳・年収420万円・配偶者と子ども2人を扶養に入れている場合を例に、それぞれの特徴や違いを詳しく解説します。
社会保険と国民健康保険の基本的な違い
まず、それぞれの健康保険の基本的な仕組みを押さえておきましょう。
社会保険(健康保険)とは?
・会社員や公務員が加入する保険制度
・保険料は会社と折半
・扶養家族(配偶者や子ども)は追加の保険料なしで加入可能
・傷病手当金や出産手当金などの保障が手厚い
国民健康保険とは?
・自営業者や退職者が加入する保険制度
・保険料は全額自己負担
・扶養という概念がなく、家族全員分の保険料がかかる
・傷病手当金や出産手当金がない
このように、社会保険は企業が一部負担してくれるため、金銭的な負担が軽減されるのが大きな特徴です。一方、国民健康保険は扶養の概念がなく、家族全員分の保険料が発生するため、家族が多い場合は特に注意が必要です。
退職後に選ぶべき健康保険とは?
転職をする際、一時的に無職になる場合はどの健康保険に入るべきでしょうか?主な選択肢は以下の3つです。
- 前職の社会保険を任意継続する
- 国民健康保険に加入する
- 配偶者の社会保険に扶養として入る
例えば、35歳・年収420万円・配偶者と子ども2人を扶養している場合、前職の健康保険を任意継続すると、会社負担分も自己負担になるため保険料が倍増します。しかし、扶養家族の分は追加料金がかからないため、国民健康保険よりも安くなるケースが多いです。
一方、国民健康保険を選ぶと、扶養の概念がないため、配偶者と子ども2人の分も含めて保険料を支払う必要があります。そのため、家族が多い場合は特に負担が大きくなります。
それぞれの保険料の違い
実際にかかる保険料の違いを見てみましょう。(鹿児島県の目安を参考)
社会保険(任意継続)
・健康保険料:約3万円〜4万円(扶養家族の追加負担なし)
国民健康保険
・世帯全体の保険料:約5万円〜7万円(扶養家族分も含まれるため高額)
こうして比較すると、家族を扶養している場合は社会保険(任意継続)の方が安くなる可能性が高いことがわかります。ただし、任意継続は最長2年までしか利用できないため、その間に次の仕事を見つける必要があります。
まとめ 転職時の健康保険は慎重に選ぼう
転職をすると健康保険の選択を迫られます。特に家族を扶養している場合は、国民健康保険よりも社会保険(任意継続)を選んだ方が負担が軽くなる可能性があります。
・社会保険は会社が保険料を折半してくれるため、負担が少ない
・国民健康保険は扶養の概念がなく、家族の人数分の保険料がかかる
・任意継続は2年間のみ可能で、それ以降は国民健康保険に移行する必要がある
転職活動をする際は、健康保険のことも考慮し、できるだけ負担の少ない選択をすることが重要です。事前に計画を立てて、無駄な出費を抑えましょう。
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