ブロイラー経営の収益モデルを理解しよう
ブロイラー経営は、短期間での出荷を繰り返すことで安定した収益を得られる畜産業の一つです。鶏肉の需要は高く、効率的な経営を行えば十分な利益を見込むことができます。
今回は1回の飼育羽数35,000羽、年間5回転、従業員1人雇用という条件で、具体的な収益を計算していきます。
ブロイラー経営の収入はどれくらい?
ブロイラーの収益は、出荷する鶏の総重量 × 1kgあたりの販売価格で決まります。
1回転あたりの売上
- 1羽あたりの平均出荷体重:2.5kg
- 1kgあたりの販売価格:220円(市場価格により変動)
- 1回転の出荷羽数:35,000羽
売上 = 35,000羽 × 2.5kg × 220円
= 19,250,000円(約1,925万円)
年間の売上
年間5回転なので、1,925万円 × 5回転 = 約9,625万円(約9,600万円)の売上が見込めます。
ブロイラー経営にかかる主な経費
経営には様々なコストが発生します。ここでは代表的な経費を試算します。
1. ヒナの購入費
- 1羽あたりのヒナ代:50円
- 35,000羽 × 50円 = 1,750,000円(約175万円)
2. 飼料費(エサ代)
- 1羽が出荷までに消費するエサの量:4.5kg
- 1kgあたりのエサ代:70円
- エサ代 = 35,000羽 × 4.5kg × 70円 = 11,025,000円(約1,100万円)
3. 光熱費・設備維持費
鶏舎の温度管理や照明など、電気代が主なコストです。1回転あたり150万円を想定します。
4. 人件費(従業員1名)
- 月給:25万円
- 年間給与:25万円 × 12ヶ月 = 300万円
5. その他の経費(ワクチン代・水道代など)
- 1回転あたり100万円
合計経費(1回転あたり)
= 175万円(ヒナ代) + 1,100万円(飼料費) + 150万円(光熱費・設備費) + 100万円(その他)
= 1,525万円
年間の経費
1,525万円 × 5回転 + 300万円(人件費)= 8,925万円(約8,900万円)
ブロイラー経営の利益はどれくらい?
年間の売上が約9,600万円、経費が約8,900万円のため、利益は約700万円となります。
ただし、これは市場価格が安定している場合の試算です。飼料費の高騰や鶏肉価格の下落があると利益が減少するため、常にコスト管理を意識することが重要です。
ブロイラー経営のメリットとリスク
メリット
- 短期間で収入が得られる:約50日で出荷できるため、安定した収益を見込めます。
- 需要が安定している:鶏肉の消費量は多く、販売先がなくなるリスクが低いです。
- 自動化設備の導入で負担を軽減できる:機械化が進んでおり、一人でも管理しやすくなっています。
リスク・デメリット
- 市場価格の変動:鶏肉価格が下がると利益が減少します。
- 飼料費の高騰:飼料代がコストの大部分を占めるため、価格上昇の影響を受けやすいです。
- 病気のリスク:感染症の発生が経営に大きなダメージを与える可能性があります。
これらのリスクを抑えるため、契約養鶏(企業と固定価格で契約する)や効率的な経営を心がけることが重要です。
ブロイラー経営を成功させるポイント
- 市場価格の変動を考慮した経営計画を立てる
- 鶏肉の市場価格を定期的にチェックし、適切な価格で販売できるように調整する。
- 最新の設備を導入し、管理の手間を減らす
- 自動給餌システムや温度管理システムを活用し、一人でも管理できる体制を整える。
- 衛生管理を徹底し、病気のリスクを抑える
- 消毒やワクチン接種を適切に行い、感染症の発生を防ぐ。
- 長期的な視点で経営する
- 設備投資や市場の変動を考慮し、数年単位で安定した収益を見込める経営を行う。
まとめ
ブロイラー経営では、年間9,600万円の売上に対して約700万円の利益が見込めると試算できます。
従業員を1名雇用することで負担を減らしながら、効率的な経営を行うことが可能です。
しかし、飼料価格の変動や市場価格の影響を受けやすいため、安定した経営にはリスク管理が不可欠です。最新の設備を導入し、労力を減らしながら利益を最大化することが、成功への鍵となります。
これからブロイラー経営を始める方は、収益シミュレーションをしっかり行い、計画的に事業を進めていきましょう。
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